摘採後すぐに加熱して酸化を止めます。みずみずしく、植物を思わせる、明るい風味。
中国茶を知る
目の前のお茶を知り、気になるテーマを深めましょう。
六大茶類#
中国茶は茶樹の種類ではなく、茶葉の加工方法で分類されます。それぞれの茶類に特徴的な水色を、中国の茶の官能評価で用いられる色の表現とともに示しています。
詳しく読む殺青も揉捻も行わず、萎凋と乾燥だけで仕上げます。穏やかで甘く、年月とともにゆっくり変化します。
緑茶に似た製法に、茶葉をまろやかにする「悶黄」(闷黄)を加えます。滑らかで柔らかく、ほのかな甘み。
繰り返し揺すって葉を傷つけ、部分的に酸化させてから殺青します。焙煎するものも多く、岩茶もこの茶類です。
揉捻後に十分に酸化させます。中国語では水色に由来する「紅茶」、英語ではblack teaと呼びます。
渥堆や長期熟成を通じ、微生物によって変化する茶です。プーアル熟茶が属し、生茶もここに含める考え方が多く見られます。
生葉からお茶へ:製法を比べる#
六大茶類を見てから個別の製法を比べます。資料に記された例であり、各茶類共通のレシピではありません。どの工程も摘採後から始まり、選別や仕上げが加わる場合があります。
主な工程・簡略な一覧
- 緑茶
- 殺青(加熱による酵素失活)
- 成形
- 乾燥
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緑茶 黄山毛峰
早い段階の殺青で葉の酵素酸化を抑えます。この烘青の例でも釜で殺青します。他の緑茶では成形や乾燥が異なります。
白茶 白茶
伝統的製法では独立した殺青や揉捻を行わず、萎凋中に酸化が進みます。新工芸白茶は軽い揉捻を加える場合があり、餅への圧縮は後工程です。
- 萎凋
- 乾燥
- 選別
- 任意:蒸して圧縮し、その後乾燥
黄茶 広東黄茶・芽茶の乾坯悶黄工程
2024年広東の意見募集案5.1.2節にある芽茶の乾坯工程です。湿熱で黄変します。同案には順序の異なる湿坯工程もあり、全国共通の製法ではありません。
- 攤放(生葉を広げる)
- 殺青(加熱による酵素失活)
- 成形
- 初回乾燥
- 湿熱による悶黄
- 再乾燥・再度の悶黄
- 乾燥
烏龍茶 武夷岩茶
殺青前に酸化が進みます。成形と仕上げ焙煎が各例の違いです。資料が区別する場合、乾燥と焙煎を別に示します。
烏龍茶 安渓鉄観音
殺青前に酸化が進みます。成形と仕上げ焙煎が各例の違いです。資料が区別する場合、乾燥と焙煎を別に示します。
- 日光萎凋
- 涼青(冷却・静置)
- 揺すりと静置の反復
- 殺青(加熱による酵素失活)
- 揉捻
- 布で包んだ揉捻と乾燥の反復
- 乾燥
- 精製・スタイルに応じた仕上げ
烏龍茶 木柵鉄観音
殺青前に酸化が進みます。成形と仕上げ焙煎が各例の違いです。資料が区別する場合、乾燥と焙煎を別に示します。
- 萎凋
- 揺すりと静置の反復
- 殺青(加熱による酵素失活)
- 布で包んだ揉捻と乾燥の反復
- 乾燥
- 仕上げの焙煎
烏龍茶 鳳凰単叢
殺青前に酸化が進みます。成形と仕上げ焙煎が各例の違いです。資料が区別する場合、乾燥と焙煎を別に示します。
- 日光萎凋
- 涼青(冷却・静置)
- 揺すりと静置の反復
- 殺青(加熱による酵素失活)
- 揉捻
- 乾燥
- 選別
- 仕上げの焙煎
紅茶 紅茶・揉捻する製法
揉捻で細胞が壊れ、酵素酸化が進みます。その後の発酵工程でも酸化が続き、加熱乾燥で酵素活性を抑えます。微生物による渥堆とは異なります。
黒茶 湖南黒茶・初製工程
この湖南の製法は、最初の乾燥を終える前に湿った葉を堆積させます。乾燥済み毛茶から作る熟普洱とは異なります。その後の磚茶成形や発花は省略しています。
普洱茶・分類は体系による プーアル生茶
熟茶の渥堆工程はありません。圧縮は任意で、行った場合はその後乾燥します。保存による変化で生茶の製法が熟茶に変わるわけではなく、分類は体系により異なります。
- 攤放(生葉を広げる)
- 殺青(加熱による酵素失活)
- 揉捻
- 天日乾燥
- 任意:蒸して圧縮し、その後乾燥
黒茶 プーアル熟茶
乾燥済み毛茶を湿らせて堆積し、微生物と湿熱が変化をもたらします。紅茶の酵素酸化や生普洱の熟成とは異なります。
茶摘みの一年#
二十四節気を通して茶の一年を見てみましょう。リングは摘採と焙煎のおおよその時期、印は今日を示します。
- 立春立春りっしゅん2月4日
- 雨水雨水うすい2月19日
- 啓蟄啓蟄けいちつ3月6日
- 春分春分しゅんぶん3月21日
- 清明清明せいめい4月5日明前は清明より前の摘採を意味します。時期を表す言葉で、品質等級ではありません。
- 穀雨穀雨こくう4月20日雨前は穀雨より前を意味し、明前と対比するときは通常、清明後から穀雨前を指します。全国共通の摘採終了日はありません。
- 立夏立夏りっか5月6日
- 小満小満しょうまん5月21日
- 芒種芒種ぼうしゅ6月6日
- 夏至夏至げし6月21日台湾北部の東方美人では、ウンカの吸汁を受けた特徴的な原料が得られる夏が重要です。早摘みが常に優れているわけではありません。
- 小暑小暑しょうしょ7月7日
- 大暑大暑たいしょ7月23日
- 立秋立秋りっしゅう8月8日
- 処暑処暑しょしょ8月23日
- 白露白露はくろ9月8日
- 秋分秋分しゅうぶん9月23日
- 寒露寒露かんろ10月8日
- 霜降霜降そうこう10月23日
- 立冬立冬りっとう11月7日
- 小雪小雪しょうせつ11月22日
- 大雪大雪たいせつ12月7日
- 冬至冬至とうじ12月22日
- 小寒小寒しょうかん1月6日
- 大寒大寒だいかん1月20日
茶の一年を読み解く#
二十四節気は、茶の一年を語る共通の目安です。ただし、一つの収穫を理解するには、産地や茶樹、どのような茶に仕上げるかも併せて考える必要があります。
太陰太陽暦に組み込まれた太陽の目盛り
太陽の黄経が15°進むごとに、次の節気に入ります。月の満ち欠けではなく、太陽年に沿う仕組みです。グレゴリオ暦の日付は毎年ほぼ同じですが固定ではなく、時間帯によって現地の日付が変わることもあります。清明は4月5日頃、穀雨は4月20日頃です。
同じ節気でも、茶産地の季節は異なる
この伝統は黄河流域で育まれ、広い地域へ伝わりました。「霜降」という名称も、すべての茶園で霜が降りるという予報ではありません。標高も関係します。台湾の2023年7月の栽培指導では、高標高と低標高の茶園で異なる生育・摘採段階が示されています。暦は土地に合わせて読む必要があります。
明前・雨前は時期を表す言葉
明前は清明より前、雨前は穀雨より前を意味します。明前と対比するとき、雨前は一般に清明後から穀雨前までを指します。どちらも品質等級ではありません。早摘みというだけでは産地や製茶技術、好みに合う味は保証されません。似た条件の茶を比べ、実際の摘採時期を確かめましょう。
リングは目安として読む
この図は、毎年おおよそ同じ時期に来る節気の日付と、季節的な期間の例を示しています。特定の年の正確な節入り時刻や、リアルタイムの収穫情報ではありません。炭火焙煎の帯は摘採ではなく加工を表し、すべての産地や収穫期を網羅してはいません。今日の印だけで、特定の茶園が摘み頃か、茶が発売済みかは判断できません。
個々のロットについては、栽培地、品種または実生集団、摘採時期を確認しましょう。後の日付がある場合は、製造・焙煎・発売のどれを指すのかも確かめてください。
どの部分を摘むのか#
摘採日は判断の一要素にすぎません。目的とする茶によって、新梢の成熟度も異なります。これらの模式例はTBRSの2020年の台湾の手摘み表に従い、普遍的な品質の序列を示すものではありません。
生長が止まった新梢の二~三葉
同じ烏龍茶の規定は、頂芽の伸長が止まった対口芽も認めます。生長が止まった新梢は、芽が折れたものとは異なります。
テーマから探す 24#
茶の種類と製法
- 六大茶類とその製法
六大茶類を分ける製造工程の違い。
- 緑茶を深く知る
茶樹、摘採、加工から緑茶の個性を知る。
- 白茶を深く知る
等級や年数だけではわからない白茶の個性。
- 岩茶の焙煎
岩茶の焙煎方法、焙煎後の休ませ方と風味の変化。
淹れ方・味わい方・茶器
- 茶の淹れ方
茶葉、水、時間を調整し、味わいを再現する。
- 味わいを表す言葉と評価の方法
専門的な茶の審査と日常の味わい方の違い。
- 茶器と水
茶器の伝統と、淹れる水の役割。
- 工夫茶の淹れ方 草稿
小さな茶器で繰り返し淹れる実践的な方法。
- 工夫茶の抽出を理解する 草稿
温度、茶葉の形、注ぎ切り方が各煎に与える影響。
- 宜興紫砂壺 草稿
土、製作技法、抽出の研究と日々の手入れ。
茶樹・産地・季節
- チャという植物
品種、実生集団と古樹という表示の限界。
- 茶を育む土地と環境
産地、地形、土壌からお茶についてわかること。
- 華南・台湾・香港の茶
華南、台湾、香港のお茶と飲茶文化。
選び方・表示・保存
- 茶名の読み解き方
茶名に含まれる産地、茶樹、製法、等級を読み解く。
- 等級・規格・産地表示
等級、規格、産地表示が示すことと、その限界。
- 確かな情報で茶を選ぶ
商品情報を比べ、表示を見極め、追加費用を考える。
- 熟成と保管
保存環境がプーアル茶と岩茶の熟成に与える影響。
プーアル茶の形状・コード・包装
- 緊圧茶とプーアル茶の番号
緊圧茶の形状、包装重量、レシピコード、ロットを読み解く。
- プーアル茶の包装紙と内飛を読む
包装紙と内飛を読み、真贋判定の限界も知る。
歴史・伝統・科学
- 中国茶の歴史をたどる
唐代からたどる製茶と飲み方の変遷。
- 茶の古典を読む
歴史的な背景とともに茶の古典を読む。
- 工夫茶の伝統 草稿
工夫茶の呼び名、地域の実践、文献に残る歴史。
- 茶の化学と抽出
加工と抽出が茶湯の成分に与える影響。
- 茶と人の健康
茶と健康のヒト研究:結果、摂取量、限界。